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2015年5月25日 with NASU BLASEN

「女友達と自転車」

インストラクター&ガイドライダー:若杉厚仁(那須ブラーゼン)
サポートカー:那須ブラーゼン・チームカー


2015年5月25日 with NASU BLASEN
大学のサークルで出会って以来、彼女とのつきあいは二十年以上になる。 私達はスキー部出身で、今でも何かというと「男らしいだろう?」が互いに口癖だ。 当時の年齢の倍の年月を生きてきた今、合宿のたびに夜通し語り明かしたあの頃と比較にならないほど、語る事は尽きない。 我々女が生きていくのは、大昔に比べればそれはもう随分楽になった。仕事をするのは普通のことだし、結婚しようがしまいが本人の自由。仕事があり、家庭があり、子育てがあり、日々が飛ぶように過ぎていく中で、大学時代の苦楽を共にした友と会う時間だけは変わらない気がする。 これまで山登りを一緒に楽しんだことはあったが、まさか自転車に一緒に乗ることになるとは思いもよらなかった。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
彼女はロードバイクというドロップハンドルの速そうな自転車に乗っている。自分でパーツを集めて組み上げたのだそうで、それを聞いて若杉コーチが「男性でもパンク修理すらできない人がいるのに、自分でバイクを組み上げてしまう女性に出会ったのは僕は初めてです」と目を丸くした。よくわからない私には「彼女らしい」としか思わないのけれど。

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自転車にハマってるらしい彼女をNIKI RIDEに誘ったのは私ではあるが、実は私自身は自転車といったらママチャリしか乗ったことがない。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
私が乗るのはクロスバイク。初めてだったけれど難しいことは特になく、ギアの操作方法や交通ルールをコーチが丁寧にレクチャーしてくれる。自転車なんて今の今まで何も考えずに走っていたけれど、普段私は車に乗る人間なので「危ないなあ、自転車は車道をチョロチョロしないでよ」位にしか思っていなかったのが、実は自転車はれっきとした車両で、歩道ではなく車道を走るのが原則だということを初めて認識した。ドライバーとしての視線も変わった。「自転車が邪魔」ではなく、自転車がいれば減速する、ゆっくり抜く。車は自転車という交通弱者を守らなければならない立場だったということを教わった。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
公道に出る前に、敷地内のテニスコートで実際に走りながらグループ走行のポイントを教わる。車間距離を縮めて走ると前方が見えないけれど、すぐ前のコーチがきめ細かく出してくれるハンドサインがとても心強くて安心して任せきってしまう。一人で走るよりずっと楽ちん。でもこれは信頼があって成立する関係。前を走る人が信頼できなかったら怖くて走れない。 サインは謎かけみたいだけれど、案外と瞬時に理解できて面白い。減速指示だったり、段差注意だったり、ちょっとしたゲーム感覚。一列になって会話もなく走っていても、このサインの受け渡しが感情のキャッチボールとなって心が通い合ってくるのがわかる。前の人は後ろの人を常に気遣う。後ろの人は前の人を信頼する。そこにはとても心地良い関係が生じる。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
エントランスを通り過ぎて、いよいよライドのスタート。 後ろにはサポートカー。この二日間ずっと伴走してくれるらしい。 途中で疲れたらいつでも乗ってくださいとの事。至れり尽くせり。

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まずは樹木の香りを胸いっぱいに吸いながら

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菖蒲の群生の中を駆け抜け

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アップダウンの道をひた走る。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
お昼には二期倶楽部に戻り、よそ風が吹きわたるテラスでの心地良いランチタイム。 デザートの可愛らしさに…悶絶。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
ごちそうをいっぱい食べて実は昼寝気分だったのだけれど…午後もがんばってライド。 それにしても、彼女はなんと楽しそうに走るのだろう。 いや勿論、私も楽しいのは今回充分にわかったけれど、彼女の場合は全身から歓びが滲み出ている感じ。写真を見るとどれも笑ってるし。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
ひたすら前へ前へと進むその姿は、美しいとさえ思えてくる。 彼女、こんなに綺麗だっけ?

2015年5月25日 with NASU BLASEN
かなり走って、かなりバテ気味。 …のタイミングで、「MANIWA FARM」という牧場に到着。 牧場を見渡すテラスと、美味しそうなチーズケーキが並ぶカフェが併設されていて、ここでしか食べられないという超レアなチーズケーキを注文。 美味い! はー、幸せ。

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しかしライドはまだ続く。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
登り坂が続いてそろそろ苦しくなってきた頃、樹々が開けて目の前に天空が広がる。 これを登るの!? 彼女は嬉々としてスピードを上げ、登っていってしまった! おい!私を置いていくのか!

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もうペダルが回らない…というところで若杉コーチが軽やかに舞い降りてきて、後ろから押してくれる。 おおっ!進む!コーチ、申し訳ない!

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自分が登るだけでも大変なのに、人の背中を押す!?さすが元プロ選手。申し訳なくてとてもギブアップはできない。「がんばって、あと少し!」と励ましの声。 あと少しならがんばれるはず。ここからは、諦めようとする自分との闘い。

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頂上で彼女がニコニコながら待っていた。 「お疲れ様!」 おお友よ。当たり前だよ疲れたよ。 しかしこの達成感。 こんな感覚、ずっと味わってなかった。 自分の力だけで何かを達成すること。

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空を見上げると、刻々と変わる表情の雲の隙間から不思議な光が差していた。 まるで「よくがんばりました」と空からメッセージが降ってきたみたいだ。 こんな広い空を眺めるのも久しぶり。

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がんばった後は雄大な景色を楽しみながらのダウンヒル。 ただただ、爽快。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
ライドを終えて二期倶楽部に戻ると、待ち構えていたようにスタッフの方々が「おかえりなさい!」と私達を出迎えてくれた。 テラスにはスパークリングワインやらハーブドリンクやら、何やら美味しそうなものが並んでる!

2015年5月25日 with NASU BLASEN
富岡シェフが登場。アフターライドのこのアミューズは、サイクリストである富岡シェフが特別に用意してくださったとのこと。 那須ブラーゼンの運営会社の役員で朝からサポートカーで伴走してくださった前田さんもまたサイクリスト。本日のライド仲間として一緒に乾杯。

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達成感を共有し合い、心地良い疲労感の中で語らう時間。なんというのだろう、脳から快楽物質が出ているような感じ?

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この後はアロマ・トリートメントサロン「nikissimo」でトリートメントを受ける。体に溜まった乳酸を排出し疲労を翌日に残さないためにプロの選手達は必ず受けるそうだが、それよりもうっとりするハーブの香りとハンドマッサージのあまりの気持ち良さについ眠りそうに。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
森に囲まれた快適なコテージの客室でしばらく休憩してから、森を眺めるレストランでのディナーへ。 美しい場所、美味しい料理、楽しい語らい。 彼女はサイクリストとして若杉コーチといろんな話をしていた。私は初めて垣間見る自転車レースの世界の話を目を丸くして聞き入るばかりだ。 この夜はかつての合宿のように徹夜してお喋りとはいかず、ぐっすり眠ってしまった。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
翌日の朝。ガーデンレストランでたっぷりの朝食を。 なんだか食べてばかりみたいだが、その分運動をするから許されるというもの。

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和朝食のお重。いとうつくし。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
そして今朝も自転車に乗って飛び出す。 空は快晴。なんて健康的な週末。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
マッサージのせいか、深い休息のせいか、あれだけ走ったのに昨日の疲れは全然ない。 昨日よりも快調に飛ばしてコーチについていく。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
コーチが突然自転車を停め、細い道を降りていくので後ろをついていく。 そこに広がるのは

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透き通る水を湛えた那須疎水の、癒しのスポット。 川の流れる音と鳥の声しか聴こえない。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
川面を見下ろしながら、昔話に再び花が咲く。 他愛ないことで一喜一憂していたあの時があってこそ、こうして今がある幸せ。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
さて、ここからは彼女を思う存分走らせてあげたいので、日頃の運動不足も甚だしい私はここら辺でサポートカーに乗り込み、車窓から彼女に檄を跳ばすることにする。

2015年5月25日 with NASU BLASEN
コーチの後にぴったりついて、どんな坂も登っていく凛々しい彼女。 少女のような、少年のような、成熟した女性。 自転車を介して新たな彼女の側面を発見した二日間。 私も負けていられない。この先まだまだ人生長いのだから。